京都市左京区の岡崎エリア。平安神宮や京都市動物園などがあり、特に週末は多くの観光客で賑わいます。ただ、やって来るのは観光客ばかりではありません。この辺りには「京都で一番」と評価の高いうどん屋さんがあり、平日も開店前から長い行列をつくっているのです…
山元麺蔵|平日も待ち時間覚悟!行列必至の京都No.1の呼び声高いうどん店
僕が山元麺蔵(やまもとめんぞう)を訪れたのは、ゴールデンウィーク中の晴れた日曜日の朝10時頃。開店時間が朝11時なので、それより1時間も前に向かったことになります。それなのに、店の外にはすでに数人が行列を作り始めていて、朝一からやって来たお客さんが10名ほど店内で座って開店待ちをしている…という状況でした。
もちろん、その後もひっきりなしにお客さんはやって来ます。この日がGWの日曜日だから…というわけではなく、平日でも待ち時間覚悟で来なければいけないようです。普通にランチタイムに来てしまったら、午後の仕事開始までに入店できる保証は全くありません…
そんなお客さんに対して、お店側は混雑緩和と待ち時間短縮のために、開店前から整理券を渡すようにしています(配布時間はだいたい朝10時頃でしょうか)。ただ、この整理券システムが独特なので、初めて訪店する人にとっては混乱しやすいポイントでもあります。
これでもう混乱しない!待ち時間有効活用のための山元麺蔵の独自整理券システムを完全解説
残念ながら入店できなかったお客さんは店の外で並ぶことになるのですが、その行列が店側と道路側の2列あり、並んでいるお客さんの目的が異なります。店側の行列は整理券待ちの行列、道路側の行列は次に入店を案内されるお客さんの待機列です。
なので、お店に着いたらまず店側の行列に並んで、整理券を確保する必要があります。店頭にスタッフの方がいるので、名前と人数を伝えて整理券を受けとりましょう。空いてる時間帯は混み具合に応じて、地図を広げて周辺の平安神宮や細見美術館、祇園・八坂神社、永観堂などの散策に使ってみてはいかがでしょうか(周辺散策用の案内も用意されています:下の画像参照)。整理券に書かれた時間が近づいてきたら、お店に戻って今度は道路側の行列に並んで入店を待つことになります。

ただ、この整理券について知っておくべき注意点がいくつかあります。まず、整理券に書かれている時間は「集合時間」であって、「入店予想時間」ではありません。この時間に来たからといって、必ずしもすぐ入店できるわけではありません。そして、集合時間前に来ても行列には並べず、逆に15分以上遅れたら食べることができなくなります。入店時に整理券を確認するので、列に並ぶ時には整理券を忘れずに。整理券が取れたからといって「予約が取れた」わけではないので、そこは注意が必要です。
ちょっと厳しいルールにも見えますが、超人気店で多くのお客さんがいるので仕方ないところです。お店や他のお客さんの迷惑にならないように、ルールを守って気持ちよく食事できるようにしましょう。
ツルツルもちもちの太麺に、透明感の強い鰹出汁…山元麺蔵のうどんは確かに行列に並んでも食べる価値あり
僕が山元麺蔵にやって来たのはこの日が初めてですが、事前リサーチをもとに1時間前に並んだことが功を奏し、何とかぎりぎり一巡目で入店できました。店主のおばあさんの家をリニューアルしたという渋い空間に、客席は合計18席。カウンターに案内され、メニューからちょっと気になった揚げ餅うどんと、この店の名物である土ごぼうの天ぷらをオーダーしました。

まずは、店長さんが香川まで出向いて打ち方を修行したという麺からいただきます。太麺で長いのが特徴で、一本一本微妙に太さや長さが異なり手打ち感がある麺です。一般的な讃岐うどんとは違って柔らかくもちっとしていて、ツルツルと喉越しよく胃袋に収まっていく感じです。画像では伝わりにくいと思いますが、量もそれなりにあるので、よほどガッツリいきたいとき以外は大盛りにしなくても大丈夫でしょう。

この麺もさることながら、個人的に特筆モノと感じるのがうどんの出汁。しっかり鰹ダシの風味が効いていながら、一点の雑味もない透き通った味なんです。そんな出汁を十分に吸い込んだ揚げ餅が器の中でとろけ出し、レンゲですくって口の中に入れると、とろけた餅と一緒になってクリアーな鰹ダシの風味が口全体に広がっていきます。
普通は食が進んでいくと少しずつ味に飽きて来るものなのですが、この出汁には一切飽きを感じることがありませんでした。うどんや揚げ餅とともに鰹の風味を味わい、餅がなくなるとレンゲですくって口の中に注ぎ込み、最後は器を持ち上げてゴクゴクと…空になった器を見て、お店の人が「お出汁まできれいに飲んでくれはって…」と驚いてました。
土ごぼうの天ぷら|シャキシャキでホクホク、そしてほんのり甘い山元麺蔵のおすすめ人気メニュー
そして、山元麺蔵さんを訪れたお客さんの多くが一緒に注文する、土ごぼうの天ぷらも人気メニューの1つ…

土ゴボウとは言いながら、まったく土臭くありません。揚げたてホクホクでありながら、シャキッとしたごぼうの食感はそのまま残っています。熱が通ったことでごぼうの風味が活性化され、カレー塩との対比でごぼう本来の甘みがほのかに感じられるようになります。
今回注文していませんが、土ごぼうの天ぷらとざるうどんと一緒になった「土ごぼう天ざる」が一番人気だとか。テレビ番組をはじめ食べログ、ぐるなび、数々のブログでおすすめメニューとして紹介されています。蒸し暑い夏に冷たいざるうどんやビールと一緒に食べたら最高でしょうね…
山元麺蔵をリピートするもう1つの理由:イケメン店主の人柄が表れるサービスが大好評
山元麺蔵さんは、うどんだけでなく接客も素晴らしいことでも有名です。これだけの大人気店になってしまうと、忙しさにかまけてベルトコンベア式の仕事になったり、尊大な態度でお客さんを怒らせてしまったりするものですが、このお店に関しては一切そんな不快な体験をすることがありません。
例えば、暖かいうどんを食べていて顔が汗ばんできたタイミングを見計らって、冷凍庫で冷やしたおしぼりを出してくれたり、辛いうどんを食べているお客さんに「辛さは大丈夫ですか?」と積極的に声をかけたり…本来売り物のデザート・杏仁豆腐を気前よくサービスで振舞ってしまうこともよくあるみたいです。

そして見ていると、お客さんの会計時には必ずイケメンの店長さん(元バレーボールの選手だそうです)が気さくに話しかけているようです。最初は帰っていくお客さんを見て「きっと友達か何かなんだろうな…」と思っていたのですが、初来店の僕にも同じような声かけをしてくれて「そうじゃない」とわかりました。本当に自然に、昔からの知り合いのように声をかけてくれるんです。そりゃ、また来たくなりますよね。リピート決定です。
山元麺蔵への2回目の訪問…開店直後の入店を狙うなら朝9:30の来店が目安
というわけで、日をあけて山元麺蔵さんへの2回目の訪問。前回の教訓を活かして、今度は朝9:30に店に到着しましたが、すでにこの時点で2人のお客さんが店内で待機していました。その後も続々とお客さんはやって来ます。どうやら、山元麺蔵の開店直後を狙うなら、朝9時半の来店が目安になりそうですね。
開店時間まで店内の丸椅子に座ってメニューを眺めます。とは言っても、この日の僕は「京カレーうどん(お値段950円)」一択で決めてきたので、あっさり注文決定。プラス、さらっとメニューを眺めていて気になった「ちょっと小さな鶏ささみ天丼(お値段500円)」を追加でオーダーしました。
小さな鶏ささみ天丼:鰹出汁の効いた天つゆに遅れてやって来る清涼感が新感覚!サイドメニューにしておくにはもったいない一品
さて、開店時間となりカウンター席に案内され、待つこと約10分。先に運ばれてきたのは、こちらの鶏ささみ天丼でした…

小さな茶碗に揚げたての鶏ささみ天ぷらが3本。その中をのぞくと…

刻み海苔の下に隠れた卵の黄身が。後で黄身を割って、鰹出汁の効いた天つゆと混ぜ合わせて…お気に入りのタイミングでねっとり卵黄のかかった白ご飯をお楽しめます。
そして肝心の鶏ささみの天ぷらは…サクッとした食感の衣の中に、歯応え柔らかい鶏のささみ肉。ここまでは想定の範囲内なのですが、後からおくれて舌の上にスーッと広がる清涼感が…
もしかして、衣に粉山椒入ってます?(未確認です)いや、舌が痺れるほど効いてはいないのですが、何か山椒を口に入れた時と似たような感覚があるのです。なるほど、新鮮ですね〜この味覚。自宅での天ぷらで試してみてもいいかもしれません。
京カレーうどん:クミンが香るスパイシーなカレー出汁にもちもちの麺がよくからむ…
そして、鶏ささみ天丼をほぼ食べ終えたところで京カレーうどんが着丼…

大きな丼になみなみと注がれたカレー出汁。表面から山元麺蔵自慢の太麺、油揚げ、九条ネギが顔をのぞかせています。
まずはスープを一口…鰹出汁がしっかり効いた和風出汁に、カレー粉と香辛料を加えた、ちょっとスパイシーな出汁。器からクミンの香りが漂う本格的なカレー出汁で、程よくとろみがついているので麺にしっかりと馴染みます。

そして山元麺蔵自慢の太麺は、相変わらずのもちもち度。大阪にある讃岐うどんの名店・いってつの麺のように、歯で噛み切ろうとすると押し返されるほどのコシがあります。かと言って最初から固い麺でもなく、もちっとしていながら強いコシも同時に体現している完成度の高い麺。これ、香川の人が贔屓目なしで食べた感想を聞きたいですね。いやマジで。
熱々でスパイシーなカレーうどんを汗をかきながら食べ進め、時にはシャキッとした九条ネギや、甘めに煮付けられた油揚げで一息ついて…今回も汁一滴残さず完食。サービスで出してくれた食後の杏仁豆腐が、スパイシーなうどんの後で一際甘く感じられました。
ご自宅で山元麺蔵の手打ちうどんを楽しみたい方へ…お持ち帰りや地方配送もやっています
山元麺蔵さんの絶品手打ちうどんは、ご自宅でも楽しむことができます。実は、お店の2件隣はカウンターのあるテイクアウト用の麺販売店になっています。美味しいうどんを食べて、帰り際におみやげを買って帰るのもいいのではないでしょうか。

また、送料は別途かかりますが地方配送もやっているようなので、日本全国どこにお住まいでもツルツルもちもちのうどんが楽しめるというわけです。
お持ち帰り用(お取り寄せ用)のメニューと値段はこちら…
- かけうどん(半生麺):630円
- お出汁(冷凍 400ml):500円
- 炊き込みご飯:350円
- (配送用)かけうどん3食入り:1890円
- (配送用)かけうどん3食入り(箱入り):2140円
京都No.1うどん店の実力を堪能ください…山元麺蔵へのアクセスは最寄り駅・京都市営地下鉄東西線の東山駅から徒歩11分

それでは、店舗の紹介です。
山元麺蔵 [star rate=\”5\”]
住所:京都府京都市左京区岡崎南御所町34
電話番号:075-751-0677
営業時間:11:00-18:00 LO(水曜日は11:00-14:30 LO)
定休日:木曜日、第4水曜日(祝日の場合は翌日が定休日)
駐車場:あり(近隣のコインパーキングに3台分スペースあり)
クレジットカード払い:不可(現金払いのみ)
バスで向かう場合は京都駅から三条京阪・銀閣寺方面へ向かう5番系統に乗って動物園前バス停を下車、徒歩2分の距離です。
最後に、山元麺蔵の隣には同じくうどんの名店・岡北さんが店を構えています。ともにミシュランのビブグルマンを獲得しているほどの実力の両店が隣り合わせとは、非常にレベルが高いというか、何とももったいないというか…
P.S. 山元麺蔵と同じ通りには、洋食の行列店もあったりします…
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