京都・一乗寺の老舗ラーメン屋となると、何人もお弟子さんが修行にやって来たり、腕を磨いて独立したりすることも珍しくないことでしょう。
実際、今回ご紹介するラーメン屋は1971年創業の、一乗寺でも古株的存在。一乗寺の本店だけでなく、今や京都市内だけでなく東京にも支店がある、全国的にも有名な店の1つです。
ただ残念ながら、こうした支店に行けば本店と全く同じものが食べられるわけではありません。特にこのお店についてはネットでも注意喚起がされており、美味い不味いは別にして、本店と支店を完全に切り離して扱わなければならないようです…
天天有本店|京都・一乗寺で昔からの伝統を守り続ける鶏白湯スープの先駆者
ちょっと悲しい事実ですが、こちらのホームページを覗いてみれば、その情報に信憑性が感じられます。同じ店名でチェーン店化していながら、肝心の本店が店舗リストに加わっていないのです。
内輪で何があったのかをここでは詮索しませんが、とりあえず本ページでは本店と支店を区別して扱うことにします。
天天有本店のメニューはシンプルに鶏白湯スープ一本
それはさておき…この天天有本店は、近年鶏白湯ラーメンがブームになるはるか前から鶏白湯一本でやってきた、ある意味鶏白湯のレジェンドです。鶏ガラと野菜をじっくり煮込んで丁寧にとったスープは「ポタージュスープのよう」とも表現され、創業から50年近くも天天有本店を人気店たらしめてきました。
そんな鶏白湯スープの「中華そば」を基準メニューとして、麺の玉数を増やすか、チャーシューや煮卵・温泉卵をつけるか…天天有本店のラーメンメニューは至ってシンプルです。
- 中華そば並 650円
- チャーシューメン並 800円
同じ値段で煮卵または温泉卵をつけられます
中(麺1.5玉)・大(麺2玉)はそれぞれ50円・150円増し
天天有本店の中華そば:鶏白湯スープの先駆者的存在…微かなとろみに鶏の旨味が凝縮
今回注文したのは、煮卵をつけたチャーシューメン並。丼全体を覆うチャーシューの中央に、半熟煮卵が2つに割られてのっています。画像はこちら…

早速ですが、まずはスープを一口…ご覧のように、白濁ドロドロ系のスープではなく、鶏白湯としてはかなり透明度が高いです。口に入れると濃厚な鶏の風味と野菜の甘さが広がり、そしてわずかなとろみを感じます。ポタージュスープに例えられるのもうなずけます。

そして、そのとろみのついたスープを絡めたストレート細麺が、濃厚な鶏の風味を届けながらツルツルと喉を通っていきます。

最後に、器一面に敷き詰められたチャーシュー…画像では伝わりにくいと思いますが、肉汁がしっかり閉じ込められてしっとりジューシーなチャーシューです。このチャーシューが10枚近くも食べられて、1000円札1枚でお釣りが来る良心的な値段…ラーメン1杯で1000円を超えることも珍しくない世の中ですが、天天有本店さんにはずっとこのままで営業を続けていってほしいと切に思います。

鶏白湯一本で50年近く営業を続ける京都・一乗寺の有名店…天天有本店へのアクセスは、最寄り駅の叡山電鉄・一乗寺駅から徒歩5分
それでは、店舗の詳細です。

天天有本店 [star rate=\”4\”]
住所:京都府京都市左京区一乗寺西杉ノ宮町49
電話番号:075-711-3255
営業時間:月-土 18:00-翌2:30、日 18:30-翌1:30
定休日:水曜日
駐車場:なし
クレジットカード払い:不可(現金のみ)
天天有祇園店:やっぱり本店とは味が違うのか?検証してみた
ところで、天天有の本店と支店では、本当に味が違うのでしょうか?やっぱり、その噂をしっかり検証しておかなければなりません。そこである日の夜、天天有の支店でも鶏白湯ラーメンを食べてみることにしました。
やって来たのは、京都市内で5店舗ある天天有支店のうち、祇園に店を構える祇園店。入り口入って横に細長い店内に、カウンター席が9脚の小さなお店。こぎれいにしていて、本店とのつながりを感じさせるものは何もありません。
そしてメニューですが、本店とは違って鶏白湯、醤油、黒、鶏塩の4種類のスープが選べます。加えて限定裏メニューで、まかない由来のこってり塩というのもあり、時代に合わせて試行錯誤している様子がうかがえます。
天天有祇園店のラーメンメニュー(チャーシューメンは150円増し)
- 鶏白湯 720円
- 黒 720円
- 鶏塩 720円
- こってり 720円
まあ、今回は本店との味との違いを検証するために来ているので、注文は迷わず鶏白湯一択です。
そしてこちらが、天天有祇園店の鶏白湯ラーメン(並、お値段720円)。トッピングで煮卵(プラス50円)を追加しています…

予想よりちょっと小ぶりの丼で出てきました。もはや記憶が定かではありませんが、本店で食べたチャーシューメンより一回り器が小さいような気もします。女性にはピッタリの量ではないでしょうか。

早速スープをレンゲにすくってみると…確かに本店のスープよりさらっとしている気がします。でも、スープが水っぽいとか薄いというわけではなく、口に含むとこちらもしっかりと鶏の味は感じられます。「本店と違う」と言われればその通りですが、かと言って「味が落ちる」ということには必ずしもつながらないと思います。

とは言え、どことなくですが、チェーン店化による味の均質化というか…ちょっと味がまとまりすぎているような印象を持ったのも事実。これは僕の直感みたいなもので、人によって感じ方は違うかもしれません。でも、じゃあ本店とチェーン店でどっちの味が好きか?と聞かれたら、僕も本店と答えることになると思います。
それでは、今回お邪魔した天天有祇園店の情報を載せておきますね。

天天有 祇園店 [star rate=\”3.5\”]
住所:京都府京都市東山区祇園町北側297-1
電話番号:075-541-0001
営業時間:11:00-翌4:00
定休日:無休
P.S. 一方、全国的に鶏白湯ラーメンのブームを引き起こしたのは、このお店…
一乗寺の外にもたくさん!京都市内の人気ラーメン店リスト
- 新福菜館本店|黒いスープの中華そばで鉄板の人気の京都ラーメンの源流店
- 本家第一旭たかばし本店|一昔前の郷愁漂う京都駅前エリアのラーメン行列店
- 麺処 鶏谷|豚と鶏、2種類のチャーシューが絶品と人気の鶏そば専門店
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