もしあなたの中の中華料理のイメージが横浜中華街にある名店の中華料理だとしたら、京都の中華料理はあなたのイメージとは大きく違います…
確かに、京都の中華料理の始まりをたどると、そのルーツは横浜中華街に行きつきます。でも、横浜中華街から呼び寄せた腕利きコックは、京都のお客さんの口にあうように試行錯誤を続けた結果、横浜とは全く違った「京都の中華」とも言えるような独自のスタイルを築き上げたのです…
京都中華ハマムラ|ユニークなロゴマーク、代名詞の春巻き…今でも京都の中華をリードする創業95年の老舗
今回ご紹介するお店は、京都の中華料理の原点とも言えるところです。創業1924年、今では3代目が店を切り盛りする「京都中華ハマムラ」は、初代コック・高華吉の味を忠実に守りながら、京都の中心地で営業を続けています。地元の人にとっては、人の顔を模したユニークなロゴマークでも有名なお店です。
その京都中華ハマムラの代名詞とも言える料理が、このえびの春巻き 1000円。

一般の中華料理と京都の中華が異なることが、この一品からよくわかります。まず、春巻きの皮が違います。普通の皮と違って、この春巻きの皮には卵が入っています。とは言え、決してハマムラの皮が珍しいわけではなく、元々こういった皮も中国にはあるようですね。
普通の春巻きは薄皮がきつね色になって、噛むとパリッという食感を残します。でも、ハマムラの春巻きはそれを通り越して、噛むと歯応えしっかり、口の中ではちょうど良いくらいにこんがり香ばしい風味が広がります。
そして断面を見ておわかりのように、ギッシリとタケノコの千切りが詰まっています。えびも入っていますが、メインはタケノコです。味は控えめで上品ですが、こんがりと揚がった皮とシャキシャキしたタケノコの千切りで、口の中での食感を楽しませてくれる…そんな春巻きになっています。

ランチタイムには食べられない夜限定メニュー|麻婆カキは器を埋め尽くす大粒のカキが魅力
続いてご紹介するのが、この一品…

良い仕入れができたときにしかお客さんに提供しないという麻婆カキ 1050円。これは夜限定のメニューで、ランチタイムには食べられません。
器になみなみと注がれた麻婆を覆うようにしてスライスチーズが1枚…このチーズの下には、とても一口では収まりきらない大きさのカキが5粒も陣取っているのです。

ご覧の通り大粒で、火が通っていてもミルキーなカキ。大きいだけでなく熱々で、一気に口の中に放り込みたいところですが、それは困難な模様…麻婆はオイリーですがやはり薄味で、その分カキの濃厚な味が楽しめる一品になっています。
当然、ご飯の上にも乗せます…

豆板醤などの辛味をほとんど使っていないと思われる麻婆は、辛いのが苦手な人やお子様でも十分に食べられるのではないでしょうか。
京都の中華料理はここから始まった…京都中華ハマムラへはJR京都駅から地下鉄に乗り換え、丸太町駅4番出口から徒歩6分
それでは、お店の詳細です。
京都中華ハマムラ [star rate=\”4\”]
住所:京都府京都市中京区丸太町通釜座東入る梅屋町175-2
電話番号:075-221-4072
営業時間:11:30-13:30 LO、18:00-21:30 LO
定休日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日が休日)
中華料理ハマムラ:京中華をよりカジュアルに…ファミレス感覚で利用できるイオンモール内の支店
そんな京中華の先駆け的存在の京都中華ハマムラですが、実は京都駅近くにも支店を出しています。これが何を意味するかというと、観光客も気軽に京中華を楽しめるということです。
残念ながらメニューも一緒というわけではありませんが、京都を離れる時の心残りを解消する目的は十分に果たせることでしょう。
ここでご紹介するのはハマムラの支店の1つ、京都駅すぐ南のイオンモールKYOTO4階にある「中華料理ハマムラ」。ショッピングモール内にあるので家族連れでも入りやすく、客席も十分広いのでファミレス感覚で気軽に利用することができます。
こちらのハマムラは本店よりもややカジュアル路線。麺類をメインにしたセットメニューがある一方、一品料理メニューはやや少なめな印象があります。ただ、ハマムラの名物春巻きはちゃんとメニューに入っているので、そこはご安心を。

さて、この日のぼくがオーダーしたのは、季節限定メニューの牡蠣のオイスターソース焼きそば(ライスとスープ付きで、お値段1350円+税)…

全体にオイスターソースをまとった中華麺は、やや硬めで歯ごたえがあります。口の中でソースの風味を穏やかに広げ、喉越しよく胃袋へ収まっていきます。

この焼きそばに埋もれて、大粒の牡蠣が5-6粒入っていたでしょうか。熱が通っているのでミルキーではありませんが、プリッと身が締まった牡蠣の旨味は健在です。野菜のシャキシャキ感も活きていて、次々と箸が伸びて一気に完食となりました。牡蠣が美味しく食べられるシーズンは限られているので、こういう限定モノを見つけたらとりあえず頼んでしまいますよね。

京中華のレジェンドが運営する大衆的中華料理店…中華料理ハマムラへのアクセスは、JR京都駅から徒歩4分
それでは、お店の詳細です。店舗データはこちら…

中華料理ハマムラ [star rate=\”4.0\”]
住所:京都府京都市南区西九条鳥居口町1番地 イオンモールKYOTO4階
電話番号:075-644-5090
営業時間:11:00-22:00
定休日:なし
駐車場:あり(イオンモールKYOTOの駐車場を利用)
クレジットカード払い:可
京の中華ハマムラ:京都を離れる前の最後の砦…新幹線の改札口も近く利便性抜群
もう1店舗は、近鉄京都線の京都駅下にある商業施設・みやこみち内にある「京の中華ハマムラ」。ちょうど新幹線ホームの真下に位置し、3分ほど歩けば改札口に行けるという抜群の利便性があります。ここなら新幹線の発車時刻ギリギリまでゆっくり京中華を楽しむことができます。
こちらも中華料理ハマムラと同様、店頭にラーメンをメインにしたセットメニューを打ち出しています。その分やはり、一品料理の種類は少なめです。メニューにはハマムラ名物の春巻きは載っているのですが、画像を見る限り伝統のタケノコ春巻きではなく普通の春巻きでした。これは残念…というわけで、代わりに京中華を代表する別の一皿をご紹介しましょう…
からしそば:和がらしが鼻にツーンと来る…好みは分かれても京中華を語るには外せない一皿
その料理は「からしそば(お値段 950円+税)。読んで字の如く、和がらしが入っています。からしが苦手な人には向かない料理ですが、これも京中華を語る上で外せない一品であることに変わりはありません。

茹でた中華麺に下味をつけた和がらしを絡め、塩味のあんかけで仕上げた京中華独特の和え麺。具材はレタス、ネギ、にんじん、キクラゲ、えび、鶏むね肉の6種類。「十分にかき混ぜて…」との店員さんの声掛け通り、中の麺を掘り起こしてあんかけをしっかり絡めてからいただきます。

では、実食…勢いよく麺をすすると、あんかけの塩味を感じると同時に和がらしの刺激がツーンと鼻を突き抜けます。この刺激は、なかなか強烈ですね。決して辛いわけではないのですが、鼻への刺激はなかなかのものです。この「鼻への刺激と味とのギャップ」が個人的には面白いと思うのですが、きっと好みが分かれるところでしょうね。
あっさり系の味付けが多い京中華の中でも、ちょっと刺激的なからしそば。チャレンジする時には、ポケットティッシュを持参しておく方がいいかもしれません。
新幹線乗車前に京中華を楽しむならここ…京の中華ハマムラはJR京都駅構内の商業施設「みやこみち」内にあり
それでは、お店の詳細です。店舗データはこちら…

京の中華ハマムラ [star rate=\”4.0\”]
住所:京都府京都市下京区東塩小路釜殿町31-1 近鉄名店街みやこみち内
電話番号:075-672-1010
営業時間:11:00-22:00
定休日:なし
駐車場:なし
クレジットカード払い:可
P.S. 京中華と言えば、こんな雰囲気のあるお店もありますよ…
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